ボイラーの取替工事にまいりました。

今回ご依頼いただいたボイラーは、

使用12年の給湯専用ボイラーでした。

一般的に、

ボイラーの取替目安は、12年～15年と言われており、

使用のされ方がとても上手なボイラーですと、

18年、19年稼働もの間を稼働し続けるものもございます。

そうした目安と比べ、

12年で故障してしまったことに、ご依頼者様は

メンテナンスのみにするか、

お取替えするべきか、

とても悩まれたとのことでした。

場合によっては確かに一時的に復旧する可能性がございます。

それに、再度の故障をしたとしても、

その都度メンテナンスを行えば、寿命を延ばすことが出来るかもしれません。

ただし、

昨今のコロナ禍の中にあっては、メンテナンスを選択することに

多少の想定をする必要があります。

もし、真冬に再度の故障で給湯器が止まってしまったら…？

その故障がメンテナンスで対応できないものであったら…？

昨年の冬を顧みると、

”半導体不足”による”給湯器取替の3か月待ち”などが

当然のように発生しておりました。

この事象は、海外に依存している”半導体”を安定輸入できなくなったことに一因があり、

そしてこの要因はいまだ解消されておりません。

つまり、今年の冬も

「給湯器の急な故障」　と

「給湯器不足による供給不安定化」　が

続くことが想定されるのです。

こうした事を回避するために、

まだ12年の使用年数かもしれませんが、

早めにお取替えのご決断をいただけたのは、

危機回避となったかもしれません。

まず初めに、ブレーカーを落とし、不凍栓をしっかりと止めます。

これらは、施工中の感電や水漏れを防ぐために行われます。

この事故対策を行ったら、さっそくボイラーの取り外しです。

まず、接続されている配管や配線の取り外しです。

オイルタンクに接続されている銅管も忘れず外しましょう。

これらは、新しいボイラーにも再利用されますので、

傷つけない様に最新の注意を払います。

もし、外した配線に傷がついたなら、

それはこの先断線の原因となりかねません。

全ての配管・配線を取り除いたら、

既存のボイラーを取り外します。

これまで使用していたのが”給湯専用”のボイラーであったため、

お風呂にはお湯を追い炊きするための循環口がありませんでした。

そのため、浴槽と躯体（家）の土間コンクリート部分に穴を空け、

新たに循環用のパイプを配置しなければなりません。

それぞれに適度な穴を空けたらパイプを通し、

外側には虫やほこりが入らない様に、しっかりとふたをいたします。

既存のボイラーを外したら、

新しいボイラーを仮配置します。

何故 ”仮” 配置なのかというと、この大まかに配置することで、

再利用する配管や配線が足りているのか不足しているのか、

不足しているなら、どの様に配管を延長すれば

見栄え良くかつ機能的に接続できるのか、

こうした事を考えるためです。

こうして、配管などの位置や不足状況を把握したら、

本格的な取り付けです。

フレキシブル配管という加工しやすいアルミ配管を使用して、

各配管を取り付けが出来たら、

これまで給湯専用にはなかった

リモコンの設置、

カロンの設置、

シャワーの設置、

をそれぞれ行います。

ここまで出来たら、

ブレーカーと不凍栓を戻し、実際に稼働させてみます。

試運転を行うことで、システムに誤作動がないか、接続間違いがないか、

水漏れがないか、こうした異常がないかの確認をしっかりと行います。

問題がないことが確認出来たら、

寒気と紫外線から配管を守るための保護材を取り付け、完成です。

目安となる年数より少し早めに不具合が発生する事があります。

こうした場合、よく陥りやすい思考は

「あと少し」

「修理すればまだ使える」

こうした考え方をしやすい傾向にあるとされます。

例年であれば、

こうした考え方で問題はないでしょう。

むしろ、メンテナンスをすることで給湯器の寿命を延ばした方が

経済的にも良い場合があるでしょう。

しかし、現在コロナ禍にあっては、

急な故障・お取替えに対応できないことも想定されます。

それは、昨年の冬に”給湯器不足”という形で実証されており、

その状況は未だ解消されていません。

メンテナンスした給湯器が

今年の冬に完全に壊れてしまう可能性がない分けではありません。

使用年数が12～15年を超えているボイラーをご使用の方は

冬を迎える前のお取替えも、選択肢の一つとしてお考えください。