単水栓は、
昨今では台所や洗面台、お風呂場といった屋内などでは、
なかなか見られない水栓となりました。
そうした場所でよく見られるのは、
お湯と水が一つの蛇口で出せる混合水栓です。
この”単水栓の設置を見なくなった”ことだけを単純に考えると、
単水栓の方が複合水栓より劣っている様に感じられることは否定できません。
しかし、必ずしもそうした優劣があるわけではないのです。
単水栓で適度な温度のお湯を出すには、少しばかり難があります。
お湯と水がそれぞれ別の蛇口で出るためです。
水を出して、
お湯を出して、
容器の中で 程よい温度になるように
調節しなければなりません。
これは確かに手間です。
この様な工程と調整をしなければならないことは、
確かに単水栓のデメリットでしょう。
しかしこの機能も反意的に捉えれば、
水を出したい時に、不要なボイラー稼働を控えることが出来、
経済的にも優しい水栓ということが出来ます。
これは、
混合水栓が、水を出した時に”実は ボイラーが点火してしまっている”事に起因します。
この複合水栓のデメリットは、
”逆止弁”が設置されている混合水栓であれば解消される問題ではあります。
しかし、水栓本体の費用面でいえば、
単水栓の費用とは比べるべくもありません。
また単水栓は、とても丈夫であるため比較的故障も少なく、
意匠が凝っているものも多くデザイン性に優れており、いまだ高い人気も誇っています。
こうした単水栓の特徴から、
屋内での設置より屋外での設置に役割を見出されてきました。
つまり、単水栓と混合視線は”どちらに優劣があるか”と比較するものではなく、
それぞれの用途に合わせて、より性能を発揮する環境に設置されるように
なっていたのです。
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